忍者ブログ

二胡との日常

Home > ブログ > 二胡

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


Mike Chiangさんがやって来た

二胡奏者でオーケストラのコンダクター、Mike Chiangさんがシンガポールから来日されました。

東京でライヴをされることは事前の告知(↓これですっ)

で知っていたのですが、その前に大阪に来られるとご連絡をくださったので、三重から会いに行ってきました。

いつもレッスンを受けている、私の師匠鳴尾牧子先生のレッスン室に老師をはじめ、何人かの生徒のみんなで集合!
みんなでMikeさんのミニレクチャーを受けたり、鳴尾老師のダラブッカや手鼓にのって二胡を弾いたり、貴重な時間を過ごしました。

私も一曲弾いてみて、と言われて葡萄熟了を弾かせていただきました。
みんなに囲まれて・・なんだか緊張したー!!
でも老師の手鼓とご一緒できて緊張しながらも楽しかった。

みんなの楽器のデンペンにお勧めの保護テープを自ら貼ってくださったり、楽器や演奏の技について詳しく教えてくださったり、とても優しい紳士な方でした。
実年齢も教えてくださったのですが、とてもお若く見えます。そしてファッショナブルでスタイリッシュな方。
Mikeさんが指導されている民族楽器オーケストラや、Mikeさんご自身のライヴの動画もいろいろと見せてくださったのですが、選曲のジャンルも多岐にわたっていて意外性があり、ものすごくおもしろかったです。自分のライヴの選曲にも参考にしたいと思いました。
二胡を自分ができる表現方法の一つとして、興味のある楽曲にこだわりなくチャレンジしてみたいと改めて思ったり。

ちなみにお勧めのテープは中国製の医療用のものだそうです。
貼っていただいたテープは、私が使っていたテープよりも表面がきめ細かくて、そのおかげで貼っても運弓がそこまで重くなることはありませんでした。ちなみに北京のメーカーぽい。
日本のテープは品質がしっかりしていて粘着力が強いので、楽器にはあまり向かないのだとか。
以前上海の合宿に参加した時に、向こうの先生はみんなデンペンの上にテープを貼ってるなあと思ったのでした。デンペンだけだと保護しきれない部分が出てくるし、あっという間にデンペンも擦り切れてしまうんでしょうね。

夕方からは近くのお店でみんなで食事。
Mikeさんはお酒もお好きだそうで、私がビールを頼むとなんだか喜んでくださっていたみたいです。
とてもスリムな方でしたが「僕は食べることが大好きなんだ」と、スマホの写真をたくさん見せてくれました。
「食べ物、食べ物、食べ物、これは楽団の写真・・and, 食べ物、食べ物、食べ物・・ね、食べ物ばっかり!」とニコニコと話してくださいました。
とっても気さく!

Mikeさんは英語と中国語で話されてました。
老師は中国語が堪能で、二胡友さんは英語が堪能、そして私はというと、どちらも片言!
Mikeさんはそれでも全然面倒がらずに一つ一つ丁寧に受け答えしてくださいました。

来年くらいには大阪でもコンサートをしたいと仰っていました。
実現させてほしいです。そして可能なら名古屋でも開いてほしいですね。

冒頭にも書かせていただきましたが、5/5(木)には東京でライヴをされます。
お近くの方はぜひ!

ありがとうございました!

PR

新緑の中で、曹雪晶さんのコンサート

日曜日、曹雪晶さんのコンサートが開かれました。
場所は日進市にある山のホール。雑木林と池に囲まれた静かなホールです。
私は今回ご縁があってスタッフの一人として参加させていただきました。

以前下見に行った時はまだ冬の様子を残していましたが、当日は新緑もまぶしく、あちこちで鶯が鳴いていてすっかり春の様子。
空気もすがすがしくて、ほんとに気持ちよかった!
隙間時間に少しだけ近くの池で二胡を練習したら、池のウシガエルが一斉に激しく鳴き出し「うっせーよ」って言われているのかなと申し訳なくなりました。

開場一時間ほど前からお客様が並び始め、おかげさまで満席の大盛況でした。
今回のコンサートは無伴奏。二胡の繊細な音色を楽しんでいただけたのではないかなと思います。
私が二胡を始めたばかりの頃、買い集めたCDの中の何枚かが、曹さんのCDでした。
「どうすればこんなに優しくて美しい音が出せるようになるんだろう」と何度も繰り返し聴いたものです・・

演目は各方面からリクエストを聞いて決められたそうで、聴きごたえのあるセットリストでした。

おなじみの自虐風のMCで笑いをおこしつつ、たっぷり聴かせていただきました。
私は、無伴奏でもまったく退屈しなかったです。自分自身がリクエストした曲は自分が弾く時との違いの気付も多々あって、退屈するひまがありませんでした。
最後の曲は「もう終わりなんだ」ともっと聴きたかったくらい。
生音へのこだわりを強くお持ちの曹さん。ホールの響きもとてもよくて、生音の音色を楽しんでいただくのにはぴったりだったんじゃないかと思います。

アクセスがよい場所ではけしてありませんでしたが、都会の喧騒を離れた自然のあふれる雰囲気は曹さんのやわらかな二胡にぴったりだったと思います。

自然と言えば・・・
リハーサルの合間、ホールの入口で曹さんがたばこを吸いながら、通りがかった私に話しかけてくれました。
入口からは目の前に雑木林と池が見渡せます。遊歩道が作ってあって、散策できるようになっているようです。それを目下に眺めながら、ぽつりと仰いました。

「あの外に椅子を並べて、コンサートをしたらいいでしょうね」
「それはいいですね、雰囲気にぴったり」
「池のほとりで皆さんに聴いてもらって、私は小船の上で演奏するんです」
「あはは、それは最高ですね。先生は船上で演奏されたことはありますか?」
「はい、何度か。大きな船なら飛鳥とか」
「飛鳥、大きな客船ですね」
「そう。あとは、ほんとに一人しか乗れない船ですね、自分でこいで、岸でもう一人の人がどこか行かないようにロープを持ってくれているんです。」
「揺れませんか」
「揺れます。危ないです」

想像してみました。
自然の中で鳥やウシガエルや虫の声に囲まれて、曹さんの音がそれに溶け合って、それをみんなが耳をすましている・・おとぎ話みたい。いいな~

控室では曹さんご自身で使われている楽器を実際に見せていただくことができました。
私の楽器も見てくださったり、並べてどういったところが違うのか比較してみたりもできてとても興味深かったです。
20年以上使われている楽器だそうです。
皮は一度も張り替えたことはないとのことで、皮の色はセピア色ぽいというか、黄色っぽい茶色。三年前に張り替えたばかりの私の二胡(緑と黒っぽい)とは全然違う色と柔らかさだったのが印象的でした。この皮があの澄んだ音色を生み出しているのね・・

二胡を始めた頃の私にとって、曹雪晶という二胡奏者はとても遠い存在で、神様みたいな音に感じていました。
ずっと憧れてました(照れ!)
そんな方を、自分が車を運転して名古屋駅まで送り迎えする日が来ようとは・・
人生はわからないものです。

技術が正確で、上手で、パワーのある奏者はたくさんいらっしゃると思います。
でも、私はそれでも曹さんの演奏が好きです。
悩んでも自信を失う時があっても二胡を弾くことを辞められない、そんな曹さんの二胡は美しいと思うし、音を介してその人に魅力を感じるからだと思います。

特別な一日になりました。
来てくださった皆様、コンサートに携わった主催者をはじめとしたスタッフの皆さん、山のホールの加藤さん、ありがとうございました。

練習することは

一つの曲をずっと練習することは、ビーズを使ったアクセサリーを作るみたいだなと思います。

小さなパーツの小さな穴に、一粒一粒糸を通していくみたいだなあと。
小さなビーズを根気よくつないで一つのモチーフを作っていく。
できたモチーフをまたモチーフ同士で繋いでいく。
少しずつ大きくしていく。

ビーズが欠けたり汚れたりしていると、出来上がるモチーフも歪になる。
そのモチーフを繋いでも綺麗なアクセサリーにならない。

構成しているパーツは小さくても、その一粒をおろそかにしたらいいものができない。
だからつるっと綺麗な丸いビーズができるまで、何度もそこだけ練習する。

気が遠くなる作業です。

続けてくれれば

先日、出張レッスンに行ってきました。
その前に花屋さんへ寄って、注文していた花束を受け取りました。

二か月ぶりのレッスンでした。
その生徒さんは、先月いっぱいを入院してすごされていたからです。
無事退院されてすぐに連絡をくれました。
少し痩せられた気もしたけれど、その声はとてもお元気そうで、持ってきた花束をお渡しするととても喜んでくれました。

私は二胡を始めてもう十年以上経ちますが、これまで仕事、転職、転居、結婚と環境が変わっていきました。
一時期、仕事が忙しくて二胡から遠ざかるしかなかったこともあります。

私のまわりでも結婚や出産、または親御さんの介護、ご自身の病気などで状況がどんどん変わっていく人がたくさんいらっしゃいます。
生きているからずっと同じではいられないし、これからもどんなことが起こるかわかりません。
そうして二胡を辞められた生徒さんもいらっしゃいました。

だからこそこうして、復帰して早々に私に連絡をくださって二胡に戻ってくださったことがうれしい。

「先生、私ね、もうこれがないと死んじゃうの!」
そう言って二胡を弾かれていました。

その人その人に事情があるので、ゆっくりでいいし、途中で休んでもいい。
先生が私でなくてもいい。
事情があって今は楽器ができない生徒さんも、またふとできるようになったら、楽器を手に取ってもらえたらいいなあ。
この楽器のおかげで私はたくさんのものをいただいたので、他の方にもそれを返していけたらいいなあと思います。

はじめての多気郡へ!トークと演奏と

半年以上前からご依頼をいただいていた、某総会の研修会へ行ってきました。
今回は演奏の他にもトークのご依頼もあり、みんな気合が入っていました。
場所は、私の自宅から車で二時間ほどの場所にある、多気郡の大台町です。(下道でゆっくり)


お天気もよくて、のどかな風景に癒されます。
桜吹雪が舞う中、愛車ジーノで走ってきました。
(全然関係ないですが、この車で移動するようになってからドライブが楽しいです。長距離も結構苦になりません。だいたい一人で音楽をかけながら熱唱してます。)


200名ほどが集まる会とのことで、会場の広さにびっくりしつつ、はりきってリハーサル。


舞台袖から撮った、本番直前のステージ。

演奏する曲をテーマごとにいくつかのコーナーに分け、それに繋げて楽器の紹介やトークを広げていきました。
なにぶん90分といつもよりも長い時間だったので、うまく時間内におさめられるか心配だったのですが、奇跡的にぴったり終わることができました。
タイムテーブル作っておいてよかった。これもいい経験になりました。
「全体の構成がよかった」と終演後に担当の方から言っていただけてほっとしました!やったね!

心配だったトークも、共演のお二人がとても落ち着いて自身の体験からテーマに沿った素晴らしい話をしてくださり、ステージの上で伺いながらちょっとうるっときてしまいました。

職員の皆さんには本当によくしていただき、あたたかい言葉をたくさんかけていただいたり、つねに気を遣っていただきありがったかったです。
終演後には、地元大台町のお菓子まで!

「ないしょ餅」というのだそうです。
とても人気で、道の駅でも午前中には売り切れてしまうのだとか。
そんな手に入れるのが難しいお菓子をわざわざ用意してくださって、甘さがよけいに口の中にしみわたる気がしました。お皿もこの季節にぴったりで、うれしい。

今回も貴重な経験をさせていただきました。
共演くださったピアニストの森岡さん、二胡とパーカッションの柘植さん、本当にありがとうございました!
お二人とはまた六月に共演させていただく予定です。楽しみです。